冬が好き。 (M ST 20:39)

冬が好きです。春も好きだけど。春は桜が良い。そう言う意味では、春という季節そのものが好きなのではないのかな、と思う。季節では、春から夏への過渡期の雰囲気、秋が深まり行く雰囲気、そして真冬が好き。あまり、春の訪れってのを実感した、って言う思いではないような気がする。


真冬。真冬の夜。凍てつく空気。肌を刺す冷気。雪。降雪後の、時が凍り付いたかのように綺麗な星空。そう言った空気が好き。
昔は雪を知らなかった。ニュースを通して知る、雪。どこかの出来事。仙台に来てから雪を知った。舞う風花。肌の上で消える風花、その感触。しんしんと降り積もる雪。新雪を踏みしめて歩く。新雪を踏みしめる音。新雪に踏み入る感触。そう言った感触が好き。
雨は嗅覚だけど、雪は聴覚だと思う。無音、という音。こんなにたくさん雪が降っているのに、不思議なほどに非現実的なまでに静か。凍てつく空気と、雪に触れる冷たい感触で現実につなぎ止められるそんな不思議な違和感。そういった雰囲気が好き。
秋が深まってそして冬が深まって行く過程。寒さが厳しくなって行く過程。日が短くなって行く。着るものが少しずつ変わる。寒さに身を抱く。雪が降る。雪が凍る。雪だるまが増える。かまくらも出来る。木々がライトアップされる。1年が終わる。新しい1年が始まる。新しい思いを胸に、また1年生きようと思う。そう言う節目のある、冬。


冬が好きです。ここには冬はありません。初秋で時間が止まった様。天候は変化に乏しく、日々の実感が薄れる。僕は、あと何度、好きな冬を迎えられるんだろう。僕は、時間を、自分の時間を無駄にしてはいないか。


ここの夏は厳しいらしい。歩道で目玉焼きが作れるよ。そんなことを先日逢ったヒトが言っていた。ちょっと、それって素敵な事かもしれないな。そんな事を思った。


少なくとも、言葉を無駄に使い過ぎだ、とは思う。


メリークリスマス。