ペルセポリス / 僕は、笑う。

チネラビータでペルセポリス見てきた。人生の革命物語、と言うのはちょっと難しいか。どうしても、端的にこの映画の印象を伝えようとすると「すごくシビア」になってしまうあたり、語彙力とか文章力とか、あるいは感受性?に難があるんじゃないかと思ってしまうけど、しかし。

ともあれ、イラン出身のイラストレータ、マルジの半自伝的作品。イラン革命・イランイラク戦争、ヨーロッパへの留学、そうした事を経ながら成長して行くマルジの物語。

イスラエルに行った時に感じた女性の処遇とか、留学した時の心象とか色々色々色々色々、すごくシビア。
でも、ユーモア交えて描いているあたりが、なんと言うか、イランから来た女の子と恋話とかに花を咲かせている様な、そんな等身大な感じで身に入ってくる。

これを消費するのでなくて、これを見て僕の中の何が反応してそれがどう変わって行くのか、そういった事に敏感でいたい、な。

良い映画でした。誰にでも薦めたい、とは思わないけど、それでもやっぱり色々な人に薦めたい。

persepolisのトレイラー

:イランが恋しいですか?
マルジ:もちろん。私の故郷だし、これからだってそう。もし私が男なら、「イランは我が母、フランスは我妻」って表現をするわ。朝起きて、テヘランにそびえる雪山を見ていたあのころの人生について、決して忘れる事は出来ない。でも今、私は自分が手に入れたいと思っていた人生を送ってるの。世界でもっとも美しい街の一つであるパリに住んで、愛する男性と一緒に、好きな仕事をしてその上、お金までもらってる。今もイランに住んでいて、私の考えを理解してくれて、でもそれを口にすることができない人たちへ敬意を込める意味でも、文句を言う事は間違っているし、いけない事だと思う。

マルジャン・サトラビへのインタビュー

もし絶望のあまり降参していたら、すべてを失っていたかもしれない。だから最後の最後まで、顔を上げて笑い続けるわ。そうすれば私の一番大切なものを奪う事は出来ないから。生きている限り、抵抗し、叫ぶことができるし、それでも尚、最強の武器と言うのは笑いなのよ!